与信管理は会社にとって何よりも重要とも言える管理です。会社の取引先とのやり取りが現金払いであれば与信管理の必要はありませんが、多くの場合は売掛で月末締めの翌月払いを採用しています。場合によって、翌々月となる事もありますが、これは非常にリスクが高くなっています。何故取引から支払いまでのスパンが長いとリスクが高まるのかは、何らかの理由で取引先が支払い出来なかった場合に、金額が大きくなる事が多いからです。
しかしリスクが高いからと言って取引を行わないわけにも行かない事が多く、そういった際は与信管理が大切になります。会社内で与信管理を行うのは、一般的に営業部ではなく、経理の財務部に専門の担当を置く事が通例です。だからと言って営業部は何もしないわけではなく、経理と協力して得た情報を共有する必要があります。経理が取得できる情報は取引先の財務管理表等公開されている紙ベースの情報で、これを定量情報と呼びます。
大して営業が取得できる情報、例えば取引先の経営者が変わって業績が芳しくなくなった等、支払いに関係しそうな情報の事を定性情報と呼びます。これらの情報を可能な限り収集して、総合的な判断を経理の与信担当の人は行います。売掛金が未回収となった場合、経常利益を含めた売上金額で考えると300万円の売掛金が未収となり経常利益が5%と仮定した場合、6000万円の売り上げが必要となります。この金額を自社で売り上げを立てようとしても、難しいという言葉が本音です。