与信管理は企業対企業の取引を行う際に欠かせない事前調査です。そこで、実際に相手の企業が安心して取引を進められるのか判断するために、何をしなくてはいけないのか解説しましょう。まず、公の発行しているデータを参照します。官公庁は必ず地域の企業の業績などを調査して、結果をまとめて公表しているからです。
また、会社四季報なども参考文献として活用できます。定期的な企業の株価の変動や、業績や業務内容が冊子の形でまとまっているからです。図書館にも収蔵されているので、必要なときにすぐ調べられて便利なのですね。あるいは、対人間としての調査も重要です。
やり取りを担当する相手方社員と直接対面して会話を通じて行う調査です。ここでは具体的な数字の情報だけでなく、会社の雰囲気や働いている人たちの人間力をチェックすることができます。心理学的にも数値化されない情報は重要視されており、人と人の信頼関係構築には欠かせない作業といえます。文献、対人を通じてえられたデータは、自社においてさらに詳細に分析を行います。
売上の動向を調べる定量分析や、担当する人間の能力を判断するための定性分析などです。つまり与信管理を行うということは会社を金銭的に分析しつつ、人間的にも判断することといえます。信頼を与えると書いて与信ですから、企業におけるお金の動きと人の動きを同時に調査し、判断材料として取引を進めていくことはお互いの利益創出に欠かせない努力なのです。