従来、事業者の資金調達方法は金融機関から融資を受ける間接金融と株式を発行し、新たに出資者を募る直接金融の二つが主流となっていましたが、最近では売掛金買取業者(ファクタリング業者)に売掛金を買い取ってもらって、資金を調達する方法も脚光を浴びています。一般的に事業者間同士の取引による売り上げは売掛金となり、実際に手元に代金が振り込まれるまで時間がかかることが多いのが現状です。しかし、売掛金が入金されるまでに、仕入れ業者への支払い、従業員への給与支払い、税金の支払い等を済ませなければなりません。会社の現預金に余裕がある場合は、困ることはありませんが、設備投資の費用を費やしてたまたま手持ちの資金がないといった場合は、支払いが出来ず最悪の場合、不渡り状態となり黒字倒産しかねません。

そこで、このような事態を回避するためにも売掛金買取業者に売掛金を売却する方法があります。売掛金買取は申し込みしてから、買取決定し代金が払われるまで短期間で済みますので、迅速に資金調達することが出来ます。また売掛金の回収は買取業者の責任となりますので、売掛金が不良債権になった時のリスクを回避できます。さらに銀行から融資を受ける場合は、会社の業績を審査して判断されるので、業績の悪い会社は融資を受けることはできませんが、買取業者は申し込み者の業績で判断せず、売掛金を回収できるかで判断しますので、業績が悪くても資金調達することが可能です。

一方売掛金買取にはデメリットもあります。一番のデメリットは本来入ってくる金額よりも少なくなるということです。買取金額は通常債権額の60%から70%程度が相場です。従って一時的に利用する場合はともかく、継続的に利用しているとさらなる資金繰りの悪化につながりかねません。

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